書籍を出版したものの、「思ったほど問い合わせにつながらない」「本を読んだ人が、その後どこへ行っているのか分からない」と感じるケースは少なくありません。
本を出版すれば、自動的に相談や商談が増えるわけではありません。読者が書籍を通じて著者や会社に興味を持ったとしても、その後に「何をすればよいのか」「どこへアクセスすればよいのか」が分からなければ、行動にはつながりにくいためです。
特に、士業、コンサルタント、医師、BtoB企業など、専門性や信頼が依頼の判断に大きく影響するサービスでは、書籍を読んだ後の導線まで設計することが重要です。
このページでは、出版した書籍からWebサイト、資料請求、セミナー、個別相談などへつなげる問い合わせ導線の設計方法や、出版後に成果を高めるための考え方について解説します。
出版後に問い合わせが増えない理由の一つが、書籍を読んだ人の次の行動が設計されていないことです。
たとえば、著者プロフィールの最後に会社のURLだけを掲載しているケースがあります。
もちろん、公式サイトを掲載すること自体には意味があります。しかし、読者からすると、そのURLへアクセスした後に何を見ればよいのか、どこから相談すればよいのか分からないことがあります。
さらに、トップページへ移動した後、サービスページ、プロフィール、問い合わせフォームなどを自分で探さなければならない場合、その途中で離脱することも考えられます。
問い合わせにつなげるには、「本を読み終えた人に、次にどのページを見てもらうのか」まで具体的に決めておくことが重要です。
出版テーマと、実際に提供しているサービスとの関係が弱い場合も、問い合わせにはつながりにくくなります。
たとえば、人事制度コンサルティングを提供している人が「社員が辞めない組織づくり」をテーマに本を書けば、読者が抱える課題とサービスが自然につながります。
一方、書籍のテーマと、著者が実際に販売したいサービスとの関連性が低い場合、読者が「この人に相談すれば、この問題を解決できる」と理解しにくくなります。
出版を問い合わせにつなげるのであれば、「書籍テーマ→読者の悩み→自社サービス」が一本の線でつながっていることが重要です。
本を読んだからといって、すべての読者がすぐに相談したいとは限りません。
特に、コンサルティング、士業への依頼、医療、高額な法人向けサービスなどは、比較検討に時間がかかることがあります。
読者の中には、「まずもう少し情報を知りたい」「事例を確認したい」「セミナーに参加してから考えたい」という人もいるでしょう。
そのため、書籍から直接問い合わせフォームだけへ誘導するのではなく、Web記事、動画、資料、セミナーなど、問い合わせ前に利用できる中間の選択肢を用意することも有効です。
読者が本を読んで著者に興味を持ち、名前を検索して公式サイトへアクセスすることもあります。
ところが、サイト上に書籍の紹介がなかったり、著者プロフィールがほとんど掲載されていなかったりすると、「本を書いた人のサイトで間違いないのか」と感じることがあります。
また、書籍では「中小企業の組織づくりに強い専門家」として発信しているのに、公式サイトでは幅広いサービスが並んでいるだけでは、書籍で形成した印象が途切れてしまいます。
書籍で得た信頼を問い合わせまでつなげるためには、書籍とWebサイトのテーマやメッセージをつなげることも重要です。
問い合わせ導線を考える前に、まず「誰に書籍を読んでもらいたいのか」を明確にしましょう。
たとえば、次のような読者が考えられます。
読者が曖昧なままだと、その人が何を知りたいのか、読後に何をしてほしいのかも曖昧になります。
「誰からの問い合わせを増やしたいのか」から逆算して書籍と導線を設計することが基本です。
次に、読者が本を読み終えたときに、どのような状態になっていてほしいのかを考えます。
たとえば、次のような状態です。
書籍は単に知識を伝えるものではありません。
事業成果につなげるのであれば、読者の考え方や行動がどのように変わるのかまで意識して構成する必要があります。
読者に最終的にどのような行動を取ってほしいのかも、出版前後で明確にしておきましょう。
たとえば、次のようなゴールがあります。
どの行動をゴールにするかによって、書籍内の案内やWebサイトの構成も変わります。
高額なサービスであれば、いきなり契約を求めるのではなく、資料請求やセミナー参加を最初のゴールにする方法もあります。
読者が問い合わせをする前には、「本当にこの人に相談してよいのか」を確認したいと考えることがあります。
その際に必要となる情報をあらかじめ用意しておきましょう。
たとえば、次のような情報です。
書籍で興味を持った人が、Webサイトで必要な情報を確認し、そのまま問い合わせまで進める状態をつくることが重要です。
書籍の巻末などに掲載する著者プロフィールは、単なる経歴紹介として終わらせる必要はありません。
肩書きや経歴に加えて、「どのような相談を受けているのか」「どのような人を支援しているのか」まで伝えることで、読者が著者の仕事を理解しやすくなります。
掲載する情報としては、次のようなものが考えられます。
「この人は誰なのか」だけでなく、「何を相談できる人なのか」まで伝えることがポイントです。
書籍から問い合わせへつなげるうえで有効なのが、読者向けの専用ページを作る方法です。
たとえば、公式サイト内に書籍専用のページを作り、次のような情報をまとめます。
一般的なトップページへ誘導するよりも、書籍を読んだ人に合わせて情報を整理できるため、読者が次の行動を取りやすくなります。
紙の書籍からWebサイトへ誘導する場合は、QRコードを活用する方法があります。
ただし、単に「公式サイトはこちら」と案内するだけでは、読者にアクセスする理由が生まれにくいことがあります。
そこで、QRコードの先に次のようなコンテンツを用意します。
「このQRコードを読み取ると何が得られるのか」を明確にすることで、書籍からWebへの移動を促しやすくなります。
読者の中には、本に興味を持っていても、すぐに個別相談をするほどではない人もいます。
そのような読者に対しては、資料ダウンロードを中間のゴールにする方法があります。
たとえば、「採用に強い会社のつくり方」という書籍であれば、「採用課題チェックリスト」「採用改善の確認シート」といった資料を用意できます。
読者にとって役立つ追加情報を提供し、その後にセミナーや相談の案内へつなげることで、段階的に関係を深めることができます。
書籍と同じテーマでセミナーや相談会を開催する方法もあります。
本を読んでいる時点で、そのテーマに関心を持っている読者であるため、さらに詳しい話を聞ける場を用意することで、次の接点をつくりやすくなります。
たとえば、書籍の最後で「より具体的な事例を解説するオンラインセミナーはこちら」と案内し、専用ページへ誘導する方法があります。
セミナーで理解を深めてもらった後に個別相談へ案内することで、書籍から直接問い合わせを求めるよりも自然な導線をつくれる場合があります。
書籍専用ページでは、最初に「○○をお読みいただいた方へ」などと表示すると、訪問者が自分向けのページだと認識しやすくなります。
書籍からアクセスした人は、一般のWeb検索ユーザーとは異なり、すでに著者やテーマについてある程度理解しています。
そのため、一般的な会社紹介から始めるのではなく、本の続きとして読めるページにすることが重要です。
専用ページで、書籍とまったく同じ内容を繰り返す必要はありません。
書籍とWebで役割を分けるとよいでしょう。
たとえば、書籍では考え方や全体像を伝え、Webサイトでは次のような情報を補足できます。
紙面だけでは伝えきれなかった情報をWeb側で補うことで、読者が著者やサービスへの理解をさらに深められます。
書籍専用ページから問い合わせにつなげる場合、いきなりサービスを強く売り込む必要はありません。
まず、書籍で扱った課題と、実際に提供しているサービスの関係を説明します。
たとえば、「本書で解説した人事評価制度について、当社では制度設計から導入後の運用まで支援しています」という形です。
「書籍で扱った課題を、実務ではどのように支援しているのか」を自然につなげることで、読者もサービスを理解しやすくなります。
書籍を読んで著者の考え方に共感しても、「実際にどのような支援をしているのか」を確認してから問い合わせたい人もいます。
そこで、専用ページや関連ページに、支援実績や事例、顧客の声などを掲載します。
書籍では紙面の都合や守秘義務などから紹介できなかった情報をWebサイト側で補足することで、依頼後のイメージを持ってもらいやすくなります。
問い合わせを検討している人の中には、「この程度の相談でも連絡してよいのか」「問い合わせたらすぐ契約しなければならないのか」と不安を感じる人もいます。
そのため、問い合わせページでは、次のような情報を明示しておくとよいでしょう。
次に何が起こるかが分かれば、読者も安心して行動しやすくなります。
同じ本を読んでいても、読者の検討段階は異なります。
すでに専門家を探している人もいれば、情報収集を始めたばかりの人、半年後や1年後に必要になる人もいるでしょう。
そのため、問い合わせだけを成果地点にしてしまうと、将来顧客になる可能性がある読者との接点を失うことがあります。
すぐに問い合わせをしない人のために、中間の行動を用意しておきます。
たとえば、次のようなものです。
いきなり相談を求めず、読者が自分のペースで情報を得られる状態をつくることで、将来的な問い合わせにつながる可能性があります。
書籍を読んだ時点では相談する必要がなくても、数カ月後に課題が発生することがあります。
そのときに、「そういえば、このテーマについて本を書いていた専門家がいた」と思い出してもらえる状態をつくることが重要です。
Web記事やSNS、動画などで継続的に発信しておけば、書籍をきっかけに生まれた接点を保ちやすくなります。
書籍を読んで著者に興味を持った人は、QRコードを利用せずに検索する場合もあります。
たとえば、次のような検索が考えられます。
その際に公式サイトやプロフィール、書籍紹介ページが見つかりやすくなっていることが大切です。
また、検索してアクセスした後に「この本を書いた人の公式サイトだ」とすぐ分かるよう、書籍情報をサイト内にも掲載しておきましょう。
書籍を読んだ人は、すべての疑問が一冊で解消されるとは限りません。
そこで、書籍テーマに関連するWeb記事を増やしておくと、追加で知りたい情報を調べてもらえます。
たとえば、相続をテーマにした本であれば、遺言、生前準備、相続手続きなどの関連記事を用意します。
書籍を入り口として、Web上でも専門情報に触れてもらうことで、著者への理解や信頼を深められます。
書籍では「中小企業の採用課題に強いコンサルタント」として発信しているのに、公式サイトでは幅広いサービスを同じように掲載しているだけでは、読者が迷うことがあります。
本を読んだ人がサイトへアクセスしたときにも、書籍と同じ専門分野や問題意識が伝わる状態にしましょう。
書籍でつくったポジショニングを、Webサイトでも継続することが重要です。
書籍の内容は、SNSや動画にも展開できます。
たとえば、一つの章からテーマを切り出してYouTubeで解説したり、書籍内のポイントをSNSで紹介したりする方法です。
書籍を読んでいない人にはSNSや動画から知ってもらい、興味を持った人に書籍や公式サイトへ進んでもらうこともできます。
それぞれの媒体を単独で考えるのではなく、「動画・SNS→書籍→Webサイト→問い合わせ」という流れをつくることも検討しましょう。
公式サイトのURLを掲載するだけでは、読者がわざわざアクセスする理由が弱いことがあります。
「書籍の補足資料はこちら」「チェックリストを無料で確認できます」など、アクセスした先に何があるのかを具体的に伝えましょう。
書籍から一般的なトップページへ送ると、読者は必要な情報を自分で探さなければなりません。
書籍専用ページや関連サービスページなど、読者の興味に合ったページへ直接誘導するほうが分かりやすくなります。
問い合わせフォームだけでは、検討初期の読者が行動しにくいことがあります。
資料、セミナー、動画、記事など、問い合わせ前に利用できるコンテンツも用意しておくとよいでしょう。
書籍で扱ったテーマと、その後に案内するサービスが離れていると、読者は違和感を覚えます。
本を読んで感じた課題を、そのまま解決できるサービスへつなげることが基本です。
書籍が完成した後でも、Webサイトの改善や専用ページの追加はできます。
しかし、書籍内にQRコードを掲載したり、特典資料を案内したりする場合は、出版前に準備しておく必要があります。
そのため、理想的なのは出版企画の段階で、読後の問い合わせ導線まで決めておくことです。
相続や事業支援などを扱う士業であれば、次のような導線が考えられます。
書籍
↓
書籍内のQRコード
↓
チェックリスト・補足資料
↓
公式サイト・専門ページ
↓
個別相談
書籍だけで相談を促すのではなく、チェックリストなどを間に挟むことで、まだ相談するか迷っている読者とも接点をつくれます。
組織、人事、経営、マーケティングなどを支援するコンサルタントであれば、次のような流れが考えられます。
書籍
↓
書籍専用ページ
↓
課題診断・ホワイトペーパー
↓
オンラインセミナー
↓
個別相談・コンサルティング
高額なコンサルティングサービスでは、書籍を読んだ直後に契約してもらうのではなく、複数の接点を通じて理解と信頼を深める設計が向いている場合があります。
BtoB企業が業界課題や専門分野について書籍を出版する場合は、次のような導線をつくれます。
書籍
↓
書籍専用ページ
↓
導入事例・サービス資料
↓
問い合わせ
↓
商談
読者が経営者や企業担当者であれば、サービス概要だけでなく、事例や導入後のイメージを確認できるコンテンツを用意しておくことが重要です。
まず、どのような人に書籍を届けたいのかを明確にします。
幅広い人に読んでもらうことより、事業成果を目的とする場合は、将来的に顧客になり得る読者を具体的に設定することが重要です。
次に、読者に最終的に何をしてほしいのかを決めます。
問い合わせ、個別相談、資料請求、セミナー参加など、目的を明確にしましょう。
読者とゴールが決まったら、その人が抱えている課題から書籍テーマを考えます。
自分が書きたい内容だけでなく、読者が解決したい問題と、自社が支援できる領域が重なるテーマを選ぶことが重要です。
書籍からアクセスするための専用ページや、関連するサービスページ、記事などを準備します。
本を出版するタイミングでWeb側も整えておけば、出版後すぐに読者を受け入れることができます。
資料、動画、セミナー、診断など、問い合わせ前に利用できるコンテンツを用意します。
読者の検討段階に合わせて複数の選択肢を持たせることで、すぐに相談しない人とも接点を維持できます。
最終的には、読者が迷わず相談できる問い合わせ導線を設けます。
相談内容、問い合わせ後の流れ、費用などを分かりやすく掲載し、行動のハードルを下げましょう。
出版すると、販売部数やランキングに目が向きやすくなります。
もちろん、多くの人に読まれることは大きな成果です。一方、事業目的で出版する場合は、それだけで成果を判断する必要はありません。
たとえば、次のような指標も確認できます。
特に企業出版では、書籍そのものの売上だけでなく、本業の売上や問い合わせ、信頼形成へどの程度貢献したかまで見ていくことが重要です。
本を出版しただけで、自動的に問い合わせが増えるとは限りません。
読者が書籍を通じて著者に興味を持った後に、「もっと詳しく知りたい」「この人なら相談できそう」「一度話を聞いてみたい」と感じ、行動できる導線が必要です。
そのためには、誰に読んでもらうのか、読後に何を感じてほしいのか、最終的にどのような行動を取ってほしいのかを整理しておきましょう。
そのうえで、書籍専用ページ、QRコード、資料、セミナー、関連記事などを組み合わせ、問い合わせまでの道筋をつくります。
出版を事業成果につなげたいのであれば、「どんな本をつくるか」と同時に、「本を読んだ人を、その後どこへ案内するか」まで設計することが重要です。
出版社に本を出版してもらうためには、著者の魅力やメッセージを的確に伝える、質の高い企画書が必要です。
初めて書籍を出す方や、なかなか2冊目のお声がかからない方には、商業出版の企画書作成からサポートしてくれるプロの存在が不可欠。ベストセラーの仕掛け人である、実績が豊富な出版プロデューサーをご紹介します。

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