書籍を出版したものの、「出版したことをSNSで告知しただけで終わっている」「本をどう動画やWebサイトにつなげればよいかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
書籍は、一冊の中に著者の専門知識や考え方、経験、事例などがまとまった情報量の多いコンテンツです。そのため、出版して終わらせるのではなく、SNS投稿やYouTube動画、Web記事、セミナーなどへ展開することで、継続的な情報発信の土台として活用できます。
大切なのは、書籍、SNS、動画をそれぞれ別の施策として考えないことです。SNSや動画で知ってもらい、書籍で深く理解してもらい、Webサイトから相談や問い合わせにつなげるなど、それぞれの役割を整理すると、出版の価値をより活かしやすくなります。
このページでは、出版した書籍をSNSや動画と連携するメリットや具体的な発信方法、問い合わせにつなげる導線設計について解説します。
SNSやYouTubeなどの動画は、まだ著者や書籍の存在を知らない人との接点をつくるのに向いています。
短い投稿や動画であれば気軽に見てもらいやすく、継続的に発信することで、著者の名前や専門分野を少しずつ認知してもらうことができます。また、文章だけでは伝わりにくい人柄や話し方、考え方の温度感などを伝えられることも、動画やSNSの強みです。
一方、書籍は一つのテーマについて背景や考え方まで体系立てて伝えることができます。
たとえば、SNSでは「相続対策で最初に考えるべきこと」という一つのポイントだけを紹介し、書籍では、なぜそれが重要なのか、どのようなケースで問題になるのか、どのように判断すればよいのかまで詳しく説明できます。
そのため書籍は、著者について知った人に対して、「この人は何に詳しく、どのような考え方をする専門家なのか」をより深く理解してもらうための媒体として活用できます。
書籍やSNSで著者に興味を持ってもらっても、その後の行動先がなければ、問い合わせにはつながりません。
そこで重要になるのが、著者や会社のWebサイトです。サービス内容、料金、実績、相談方法などを確認できるページを用意しておけば、書籍やSNSで興味を持った人が具体的な検討へ進みやすくなります。
基本的には、SNS・動画で認知を広げ、書籍で理解や信頼を深め、Webサイトで相談や問い合わせにつなげるという役割分担で考えると整理しやすいでしょう。
本を出版しても、その存在を知られなければ読んでもらうことはできません。書店やECサイトでの流通だけでなく、著者自身がSNSで継続的に発信することで、書籍と読者の接点を増やすことができます。
出版時に一度だけ「本を出しました」と告知するのではなく、本の中で扱っているテーマを継続的に発信することで、「このテーマについて詳しく知りたい」と思った人に書籍を知ってもらいやすくなります。
書籍には、SNS投稿や動画のテーマになる情報が数多く含まれています。
たとえば、一冊の中には、考え方、事例、よくある質問、失敗例、チェックポイント、判断基準などがあります。これらを一つずつ切り出せば、一冊の本から複数のSNS投稿や動画をつくることができます。
つまり書籍は、完成した一つのコンテンツであると同時に、その後の情報発信を生み出すためのコンテンツ資産としても活用できます。
書籍では文章として整えられた情報が中心になりますが、SNSや動画では、もう少し日常に近い言葉で発信できます。
たとえば、「なぜこの本を書いたのか」「取材や執筆を通じて感じたこと」「本文には入れられなかったエピソード」などを発信することで、書籍だけでは見えにくい著者の人柄や考え方を補うことができます。
特に士業、コンサルタント、医師など、依頼前に人柄や価値観も判断される専門家にとっては、書籍とSNSの両方から情報を発信することが信頼形成につながります。
書籍は、読み終わると著者との接点が一度途切れてしまう可能性があります。
そこで、書籍からSNSやYouTubeなどへ誘導し、フォローしてもらうことができれば、出版後も継続的に情報を届けることができます。
新しい制度情報や事例、セミナー情報などを発信し続けることで、読者が実際に困ったときに著者を思い出してもらいやすくなります。
書籍の一章をそのままSNSへ掲載しようとすると、情報量が多すぎて読みづらくなります。
そこで、本の内容を小さなテーマに分解することが重要です。
たとえば、「経営者が知っておきたい事業承継」という章があれば、「事業承継を始めるタイミング」「後継者が決まらない場合の考え方」「親族承継で注意したいこと」など、一つの疑問につき一投稿に分けることができます。
書籍の内容を短くするのではなく、一つの投稿で一つの疑問を解決するという考え方で切り出すと、SNS向けのコンテンツにしやすくなります。
SNSでは、背景を長く説明するよりも、最初に結論や問いを示したほうが内容を理解してもらいやすくなります。
たとえば、書籍の中で「相続対策は財産の分け方を決めるだけでは不十分」と説明しているのであれば、SNSでは「相続対策で最初に考えるべきなのは、財産の分け方ではありません」という切り口から始めることができます。
そのうえでポイントを簡潔に説明し、「詳しい考え方は書籍で解説しています」とつなげれば、SNSから書籍への導線にもなります。
出版後に読者や顧客から質問された内容も、SNS投稿のテーマになります。
「本を読んだ方からよく聞かれるのですが」という形で回答すれば、書籍の内容を補足しながら、同じ疑問を持つ人にも情報を届けることができます。
こうした質問は、読者が実際につまずきやすいポイントでもあるため、今後の記事や動画テーマを考える材料にもなります。
書籍は制作から出版まで時間がかかるため、出版後に制度が変わったり、新しい事例が生まれたりすることもあります。
そのような追加情報は、SNSで補足できます。また、紙面の都合で掲載できなかったエピソードや事例を発信することも可能です。
書籍を完成した時点で情報発信を終えるのではなく、書籍を起点として情報を更新し続けることで、長期的に活用できます。
動画でも、一冊の本を一度に説明しようとする必要はありません。書籍の中にあるテーマを、一つの疑問につき一本の動画に分けると発信しやすくなります。
たとえば、「中小企業経営者のための事業承継」という本であれば、「事業承継はいつから準備するべきか」「後継者が決まっていない場合はどうするか」「親族承継とM&Aはどう違うのか」といった形で動画を展開できます。
複数の動画を見た人が、さらに体系的に知りたいと思ったときに書籍へ進めるようにすると、動画と本の役割を分けることができます。
動画の強みは、声や表情、話し方まで伝えられることです。
士業やコンサルタントなど、相談相手との相性も重要になるビジネスでは、知識の量だけでなく「話しやすそう」「この人の考え方に共感できる」と感じてもらうことも重要です。
本の内容をそのまま読み上げるのではなく、「なぜこのテーマを本にしたのか」「実際の相談現場では何が起きているのか」といった著者自身の言葉を加えることで、書籍とは異なる価値をつくれます。
YouTubeなどで一つのテーマを解説したあと、さらに詳しく知りたい人へ書籍を案内する方法があります。
動画では要点をわかりやすく説明し、背景や判断基準、具体例などは書籍で詳しく解説するという役割分担です。
すべての情報を一つの動画に詰め込まず、「まず動画で理解し、より深く知りたい人は本を読む」という導線をつくることで、両方の媒体を活かすことができます。
反対に、書籍から動画へ読者を誘導することもできます。
たとえば、書籍内で紹介したテーマについて、著者による補足動画やセミナー動画を公開し、QRコードやURLからアクセスできるようにする方法です。
文章だけでは説明しにくい内容を動画で補足したり、著者本人の話を聞いてもらったりすることで、一冊の本を読んだ後も情報接点を続けることができます。
Xのように短い文章を中心としたSNSでは、一つの考え方や気づきを簡潔に発信する方法が向いています。
たとえば、本の中で扱っている「よくある誤解」や「判断するときのポイント」を短くまとめたり、ニュースや業界動向に対して著者の視点を発信したりできます。
投稿だけで完結させることもできますが、詳しい背景を知りたい人へ書籍やWeb記事を案内することで、情報の深さを補えます。
Instagramでは、文章だけでなく、図解やスライド形式で情報を整理すると伝わりやすくなります。
書籍の内容から、「○○で確認したい5つのポイント」「失敗しやすい3つのケース」「相談前のチェックリスト」などを抜き出し、視覚的にまとめる方法があります。
本の内容をすべて紹介するのではなく、要点をわかりやすく見せることで、興味を持った人を書籍へつなげやすくなります。
経営者や法人顧客を対象とした士業・コンサルタントなどであれば、LinkedInで書籍のテーマを発信する方法もあります。
経営課題や業界の問題、実務の事例、自身の問題意識などを書籍の内容と結びつけて発信することで、「このテーマに詳しい専門家」として認知されるきっかけをつくれます。
単なる出版告知ではなく、「なぜこの本を書いたのか」「経営者に何を伝えたいのか」を発信することが重要です。
YouTubeは、短いSNS投稿では説明しにくいテーマを、時間をかけて解説するのに向いています。
書籍に書いた内容をテーマごとに動画化し、具体例や補足説明を加えることで、専門性を伝えながら著者本人への理解も深めてもらえます。
特に、サービスの検討期間が長い高関与商材では、複数の動画や書籍を通じて繰り返し情報に触れてもらうことが、信頼形成につながります。
書籍、SNS、動画、Webサイトは、すべて同じ役割を持つわけではありません。それぞれの得意分野を活かして、段階的に顧客との関係を深めることが重要です。
たとえば、次のような流れが考えられます。
SNSで投稿を見る
↓
YouTubeで詳しい解説を見る
↓
著者に興味を持つ
↓
書籍を読む
↓
ホームページでサービスを確認する
↓
問い合わせ・相談する
必ずこの順番になるわけではありませんが、複数の媒体で接点をつくることで、一度の情報発信だけで判断してもらう必要がなくなります。
本の巻末に電話番号やWebサイトを掲載しただけでは、問い合わせ導線として十分とは限りません。
読者が「相談してみたい」と感じたときに、すぐに詳しい情報を確認できるよう、専用ページや関連サービスページ、問い合わせフォームなどへつなげておくことが重要です。
また、すぐに問い合わせするほどではない人に対しては、SNSフォローやセミナー参加など、もう一段階軽い行動を用意する方法もあります。
SNSを見て著者に興味を持った人が、次に何を見ればよいのか迷わないようにすることも大切です。
プロフィールや固定投稿などに、著書、専門分野、Webサイトなどをまとめておけば、「何をしている人なのか」「どんな本を書いているのか」「何を相談できるのか」を理解してもらいやすくなります。
書籍からWebサイトへ誘導するときは、できるだけ本のテーマと関連したページへつなげましょう。
たとえば、相続をテーマにした本を読んだ人を事務所のトップページへ案内するより、相続相談について詳しく説明したページへ誘導するほうが、読者は次に何をすればよいのか理解しやすくなります。
書籍、SNS、Webサイトで扱うテーマをそろえることで、一貫した導線をつくることができます。
出版した直後にSNSで告知したものの、その後は本について何も発信していないケースがあります。
もちろん発売時の告知は重要ですが、それだけでは書籍に興味を持つ人との接点は短期間で終わってしまいます。
本の内容を小さなテーマに分け、数カ月、数年単位で情報発信に使うことで、一冊の書籍を継続的に活用できます。
書籍の文章をそのままSNSへ掲載しても、長すぎて読まれにくいことがあります。
SNSでは、「問い」「結論」「理由」「具体例」など、短時間でも理解できる形に再編集することが重要です。
本とSNSで同じテーマを扱っていても、媒体に合わせて見せ方を変える必要があります。
X、Instagram、LinkedIn、YouTubeなど、すべての媒体を同時に運用しようとすると、発信の負担が大きくなります。
重要なのは、利用するSNSの数ではなく、読者や見込み客がいる媒体で継続的に発信できることです。
経営者向けなのか、一般消費者向けなのか、動画で説明したほうが伝わるテーマなのかなどを考えながら、媒体を選びましょう。
SNSではフォロワー数や再生回数などが目立ちやすいため、それ自体が目的になってしまうことがあります。
しかし、出版の目的が問い合わせや商談獲得であれば、見るべき成果はフォロワー数だけではありません。
書籍紹介ページへのアクセス、Webサイトへの流入、セミナー参加、資料請求、問い合わせなど、最終的な行動まで確認することが重要です。
書籍のテーマと、実際に提供しているサービスが大きく離れていると、読者に興味を持ってもらえても問い合わせにはつながりにくくなります。
出版テーマを決める段階から、「この本を読んだ人に、最終的にどのサービスを検討してほしいのか」を考えておくと、その後のSNSやWebサイトとの連携も設計しやすくなります。
これから出版する場合は、本が完成してからSNS活用を考えるのではなく、企画段階から発信テーマを想定しておくと効率的です。
たとえば、本の各章がSNS投稿や動画のどのテーマになるのかまで考えておけば、出版後の情報発信を継続しやすくなります。
書籍で伝える内容と日々の発信内容が一貫していれば、専門家としての認知も形成しやすくなります。
一冊の本を、さまざまなコンテンツの元になる「親コンテンツ」として考える方法があります。
書籍の内容から、SNS投稿、YouTube動画、ブログ記事、セミナー、ホワイトペーパー、メールマガジンなどを展開すれば、それぞれをゼロから企画する必要がありません。
出版を一度きりの施策として終わらせず、継続的なコンテンツマーケティングの基盤として設計することが重要です。
書籍をSNSや動画と連携する前に、「読者に最終的に何をしてほしいのか」を決めておきましょう。
目的によって、SNSフォローを促すのか、セミナーへ案内するのか、資料請求をしてもらうのか、直接問い合わせてもらうのかが変わります。
出版のゴールを先に決めておけば、どの媒体を使い、どのような情報を発信すればよいのかも判断しやすくなります。
司法書士や税理士、社労士などの士業であれば、書籍を専門分野の入口として活用できます。
たとえば「経営者のための相続・事業承継」という書籍を出版した場合、SNSではよくある質問や注意点を発信し、YouTubeでは具体的な事例や判断基準を解説します。
そのうえで、Webサイトの相続・事業承継相談ページへ誘導すれば、書籍→SNS・動画→個別相談という流れをつくることができます。
コンサルタントであれば、著書で伝えている考え方を、SNSや動画で継続的に発信する方法があります。
たとえば「社員が辞めない組織のつくり方」という書籍を出版した場合、SNSではマネジメントに関する気づきや事例を発信し、YouTubeでは離職や組織課題について詳しく解説します。
その後、セミナーや個別相談へつなげることで、書籍をコンサルティングサービスへの入口として活用できます。
医師が特定の疾患や治療について書籍を出版した場合は、患者向けの動画やWebコンテンツと連携する方法があります。
書籍では疾患や治療について体系的に解説し、動画では患者が疑問を持ちやすいポイントをわかりやすく説明します。そのうえで、医療機関のWebサイトで診療方針や治療内容を確認できるようにすると、一貫した情報提供が可能です。
なお、医療機関が広告・集客を目的として情報発信する場合は、医療広告に関するルールなども確認したうえで、適切な表現で運用する必要があります。
SNSやYouTubeなどの動画が普及したからといって、書籍が不要になったわけではありません。重要なのは、それぞれの媒体が得意とする役割を理解することです。
SNSや動画は、多くの人に知ってもらい、著者との最初の接点をつくることに向いています。一方、書籍は、一つのテーマについて体系的に伝え、著者の専門性や考え方を深く理解してもらうことに向いています。そしてWebサイトは、その理解を具体的なサービス検討や問い合わせにつなげる役割を持ちます。
つまり、SNS・動画で認知を広げ、書籍で信頼を深め、Webサイトで行動につなげるというように組み合わせることで、それぞれの強みを活かせます。
出版した本を一度きりの成果物として終わらせず、SNS投稿、YouTube動画、Web記事、セミナーなどへ展開しながら、長く使えるマーケティング資産として活用していきましょう。
出版社に本を出版してもらうためには、著者の魅力やメッセージを的確に伝える、質の高い企画書が必要です。
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